預貯金がある人の死亡を知れば、銀行や郵便局は、その人の口座を凍結してしまいます。

凍結されると、入金、引き出し、送金はもちろんのこと、公共料金などの口座引き落としなども、すべてできなくなってしまいます。

つまり、亡くなられた方の預貯金を引き出すには、たとえ、奥さんであったとしても、一定の手続きが必要となってくるのです。

その一定の手続きに「亡くなられた方の生れてから亡くなるまでの戸籍謄本」と「財産をもらう人（相続人）の戸籍謄本」が、必要となります。

相続手続きにおいて、戸籍謄本を手に入れることが、はじめの第一歩となります。

そのはじめの第一歩となる「戸籍謄本を手に入れること」なかでも「亡くなられた方の、生まれてから、亡くなるまでの戸籍謄本」を手に入れることが、おもいのほか、大変なのです。

生れたときから亡くなるまでの、すべてのことが書かれている戸籍であれば、何の問題もなく手に入れることは簡単です。

しかし、そのような戸籍は本当に数少なく、引っ越しや結婚などにより、転々と別の市区町村に本籍を移しているという場合がほとんどです。

この場合、今までに本籍を置いたすべての役所に、戸籍を取りに行く必要がでてきます。

そのため、複雑なケースでは、必要なすべての戸籍謄本を手に入れるのに1ヶ月以上もかかることがあります。

また、比較的、最近つくられた戸籍は、その内容を読み取ることは、さほど難しくありません。

しかし、戸籍をさかのぼっていき、明治中ごろにつくられたものとなると、「旧字・旧かな」など、普段あまり目にすることのない文字が、毛筆でびっしりと手書きされています。

それに加えて、カスレている文字も数多くあり、読みづらいだけでなく、読み取れないものもでてきます。

当初、ご自身で、戸籍を集めていたが、大変であることが分かり、あらためて、専門家である当事務所にご依頼いただく方も少なくありません。